物流ニュース 4月2010年

28/04/10 メルボルン港周辺道路で貨物インフラ料金を導入−ビクトリア州政府
28/04/10 ブリスベン港を99年間のリースに出す−クイーンズランド州政府
21/04/10 検疫予算削減で日本向けリンゴ、鮭、チェリーに影響-タスマニア州
21/04/10 座礁した石炭バルク船の船長と一等航海士を逮捕 − 連邦警察
21/04/10 航空運賃カルテル容疑でマレーシア航空を告発 − 豪消費者委
14/04/10 座礁した石炭運搬船の離礁に成功 − クイーンズランド州
14/04/10 消費者に海外からのコピー商品に注意を促す − 連邦政府内務相
14/04/10 石炭輸出ターミナルの混雑で待機する船が過去最高の223隻
14/04/10 座礁した石炭運搬船から重油の抜取り作業が続く−クイーンズランド州
14/04/10 大量破壊兵器の疑いがあるパキスタンへの輸出貨物を阻止−豪国防相
07/04/10 中国の石炭運搬船が座礁、重油が流出 − クイーンズランド州

                                                              

04月28日2010年 メルボルン港周辺道路で貨物インフラ料金を導入−ビクトリア州政府
  ビクトリア州政府は、メルボルン港で貨物インフラ料金の導入と徴収する企業の募集をしている。 
  同州政府のティム・ピラス港湾相は、「貨物インフラ料金の導入は、メルボルン港周辺の道路整備と混雑緩和を目的とし、トラックにもピーク時以外に利用してもらうことを奨励するものである。 多くのトラックが道路で待機していることに人々が懸念を抱いているが、だからこそ、州政府がより良く、効率的な貨物システムの構築をしている。 2011年下期から導入されるこの貨物インフラ料金は、以前州政府の”Freight Futures strategy”の中で紹介しており、港湾周辺の道路ネットワークの使用と貨物の動きの効率を最大限にするものである。 現在、メルボルン港は1日平均6,000個のコンテナを取り扱っているが、2035年には今の4倍に近い20,000個以上のコンテナになると予想される」と話した。 (Source: T&L News, 23/04/10 "Victorian Government to introduce truck charges at port")
04月28日2010年 ブリスベン港を99年間のリースに出す−クイーンズランド州政府

  クイーンズランド州政府は、ブリスベン港を99年間のリース契約にする入札募集を始めた。 同港をリースに出すことは、論争をまき起こしている州政府の160億ドルにおよぶ民営化の重要な柱である。 
  同政府のアンドリュウ・フレーザー財務相は声明で、「入札の募集は4月22日から始まり、マーケットの状況にもよるが、今年の末までには落札者を決定したい。 ブリスベン港はオーストラリアの東海岸で、最も利便性が高い多目的な貨物港である。 また成長しているアジアや太平洋マーケットを利用できる位置にある。 今回のリース契約の条件では、クイーンズランド州政府が港湾の土地とインフラの20%の所有権を引き続き保有するが、港湾の運営にかかわるリスクや費用は民間企業に委譲する」と話した。 
  2004年から2009年までのブリスベン港のコンテナ取扱量の増加率は7%で、シドニー港は7%、メルボルン港は4.6%である。 (Source: AAP, 22/04/10, "Port of Brisbane on the market")

04月21日2010年 検疫予算削減で日本向けリンゴ、鮭、チェリーに影響-タスマニア州
  予算の削減によって、タスマニア州の空港でのバイオセキュリティー検査、ミバエの捕獲、コンテナの検査が縮小される恐れが出てきた。 
  タスマニア州政府バイオセキュリティーのマネージャーのアレックス・シュハープ氏は、「州政府の財政が厳しい中、いろいろな分野において経費の削減が必要になってくるかもしれない。 しかし、来年度の予算が発表されるまでは、はっきりした事は分からない。 すべてのマネージャーに経費削減の方法を検討するように話している。 空港での検疫犬チームの削減は現時点では考えていない。 検疫犬チームによる検査は、エックス線や職員自身の検査よりも費用対効果は大きい。 しかし、他の分野は削減される可能性がある。 オーストラリア本土からフェリーでタスマニア州Devonportに到着する自動車の検疫検査はすでに削減されている。 すべての自動車を検査する代わりに、検疫リスクが高い自動車だけを検査している。 一部のマネージャー・グループの意見では、検疫犬チームの規模、空港での抜き打ち検査、ミバエの捕獲検査、穀物の輸入検査、貨物コンテナ検査を縮小すれば、年間35万ドルの経費削減となると指摘している。 これらは検討に値するが、今のところ決まったわけではない」と語った。 タスマニア州政府は州境において、検疫検査に年間約600万ドルの費用をかけている。 タスマニア州は世界でも最も厳しい検疫体制やバイオセキュリティー規則を持つ州である。 そして、このことがクリーンなイメージを与え、タスマニア産果実、シーフード、食肉に対して国内外からの需要が高い。 
  地域社会・公営企業の労働組合のトム・リンチ氏は、「州境においての検疫検査の削減はサーモン、チェリー、リンゴなどの貴重な輸出マーケットを失うことになる。 特にタスマニア産のリンゴは日本のマーケットに大きく依存している。 それらの商品の輸出が危険に晒されることになる」と話した。 (Source: The Mercury, 18/04/10 "Biosecurity cuts loom")
04月21日2010年 座礁した石炭バルク船の船長と一等航海士を逮捕 − 連邦警察
  座礁した石炭バルク船「深能1号(Shen Neng 1)」の船長と一等航海士が連邦警察によって逮捕された。 両容疑者は4月15日にグラッドストーン地域裁判所に出廷する。 
  連邦警察は声明で、「今回の逮捕は連邦警察、グレート・バリア・リーフ海洋公園局(GBRMPA : Great Barrier Reef Marine Park Authority)、オーストラリア海上保安局(AMSA - Australian Maritime Safety Authority)との共同の調査によって決まった。 調査では、「深能1号(Shen Neng 1)」が決められた航路を逸脱したと判明した。 47歳の中国人船長は、グレート・バリア・リーフ海洋公園法(Great Barrier Reef Marine Park Act)38FC項に違反した罪で逮捕され、有罪になれば最高$5万5,000の罰金となる。 44歳の中国人一等航海士は、同じくグレート・バリア・リーフ海洋公園法(Great Barrier Reef Marine Park Act)38DA項の海洋公園を破壊した容疑で逮捕され、この刑罰は最高懲役3年または$22万0,000の罰金、若しくは両方言い渡されることもある」と話した。 (Source: Courier-Mail, 14/04/10 "Captain and officer of Shen Neng 1 charged over grounding on Great Barrier Reef")
04月21日2010年 航空運賃カルテル容疑でマレーシア航空を告発 − 豪消費者委
  オーストラリア自由競争・消費者委員会(ACCC)は、マレーシア航空とその貨物部門子会社MASkargoに対して、連邦裁判所への告発の準備を始めた。 これによって、マレーシア航空はACCCによって航空貨物運賃のカルテル容疑で告発される13番目の航空会社となる。 
  ACCCは、マレーシア航空とその貨物子会社が2001年から2006年までの間、燃油サーチャージやセキュリティー・サーチャージにおいて他社と共謀して不正な価格操作の打ち合わせを行なったか、またはそれを暗黙のうちに了承したと主張している。 
  インドネシアと香港からの燃油サーチャージの
不正な価格操作の打ち合わせや暗黙の了承はインドネシアと香港で行なわれた。 またインドネシア、香港、シンガポールから適用されるセキュリティー・サーチャージについては、それらの国々で不正な価格操作の打ち合わせと暗黙の了承が行なわれたとACCCは断言している。
  ACCCは事実の公表、差し止めによる救済、罰金、裁判費用を求めていく。 審問はシドニーの連邦裁判所で4月22日に開かれることが決まっている。 (Source: Aircargo Asia Pacific, 14/04/10 "Malaysia Airlines to face ACCC charges")
04月14日2010年 座礁した石炭運搬船の離礁に成功 − クイーンズランド州
  クイーンズランド州沖のグレート・バリア・リーフで座礁した石炭運搬船が昨夜離礁に成功し、停泊に安全な海域に曳航される。 この海域はグレート・ケペル島北東部9キロの所にあり、今日の夜明けには到着する予定である。 クイーンズランド州政府運輸省は、現時点では目に見える重油の漏れはないとしている。 
  全長230メートルの中国船籍の石炭バルク船「深能1号(Shen Neng 1)」が、4月3日にロックハンプトンの東、ダグラス浅瀬に座礁し、少なくとも2トンの重油が流出した。 しかし、同船は昨夜午後8時に離礁に成功した。 クイーンズランド海上保安局(Maritime Safety Queensland)のゼネラル・マネージャーのパトリック・カーク氏は、「離礁は成功した。 救助隊は1時間30分かけて、同船の安定性やさらなる重油の漏れがないかを調べた。 そして、安全な海域に曳航されたあと、ダイバーによって船体の状況を確認する」と話した。 同船にあった970トンの燃料重油のほとんどは離礁作業の前に抜き取られたが、依然残っている重油が流出する可能性がある。 
  クイーンズランド州政府のアナ・ブライ首相は、船舶による重油流出の罰金を引き上げる新しい法律を発表した。 同首相によると、「船舶の重油流出に対する罰金を最高1,000万ドルに引き上げる法案を今週議会に提出する。 法人に対する罰金を現在の175万ドルを5倍にし、個人への罰金は50万ドルに引き上げる」としている。 (Source: SMH/AAP, 13/04/10 "Salvage crews refloat coal carrier")
04月14日2010年 消費者に海外からのコピー商品に対する注意を促す−連邦政府内務相

  連邦政府のブレンダン・オコナー内務相は、消費者に対してコピー商品に気をつけるように注意をした。 オーストラリア税関は2009年だけでも、小売価格4,700万ドル相当以上のコピー商品を押収している。 
  オコナー内務相は、「オーストラリア税関は2009年に110万個のコピー商品を押収した。 これは2008年の54万7,000個の2倍以上となっている。 それらの商品のほとんどは不良品で、それを知らないオーストラリアの消費者の健康や安全に大きなリスクを与えることがある。 ほとんどの電化製品、バッテリー、携帯電話とアクセサリーなどのコピー商品は購入後すぐに故障し、出火の危険性がある。 香水や化粧品のコピー商品にはよく、尿、鉛、禁止されている化学品などが入っている。 正直な消費者をだますコピー商品を売る輸入業者には気をつけるように」と警告している。 (Source: Australian Customs Service, Minister for Home Affairs media release 19 March , "Consumer beware counterfeit goods seizures on the rise")

04月14日2010年 石炭輸出ターミナルの混雑で待機する船が過去最高の223隻
  オーストラリアの石炭輸出ターミナルの混雑で、待機している船が過去最高の223隻となった。 これにより貿易停滞が起こり、800万トンの石炭輸出が犠牲になり、何千万ドルにもなる追加の輸送費が発生すると見られる。 
  アメリカの海事コンサルタント会社のCommodore Research & Consultancy.社によると、サイクロンの影響を受けたクイーンズランド州Dalrymple BayとHay Pointにある石炭輸出ターミナルでは103隻のバルク船が待機しており、これらの船の待機が解消するには50日間はかかるとしている。 オーストラリア全体で現在待機しているバルク船のほとんどは東海岸に集中している。 この過去1ヶ月の間に待機船の数が2倍となり、今までの記録であった昨年12月末の200隻を13隻上回った。 
  年間1億5,000万トンの資源物を輸出するRio Tinto社は、「過去7年間に渡ってオーストラリアの石炭輸出を阻害し、解決のメドが立たないこのロジスティックの混雑にうんざりしている」と語った。 
  オーストラリアの石炭積出港の混雑は、昔ながらのバイヤーである日本や韓国の需要が回復し、また中国の需要が2倍になった昨年9月から慢性化し、すでに鉄道や港湾インフラが限界を超えているなかで試練の時を迎えている。 (Source: The Australian, 06/04/10 "Record port logjam costing shippers millions")
04月14日2010年 座礁した石炭運搬船から重油の抜取り作業が続く−クイーンズランド州

  クイーンズランド州沖のグレート・バリア・リーフで座礁した石炭運搬船から、救助隊が約40トンの重油を抜き取った。 
  石炭バルク船「深能1号(Shen Neng 1)」がロックハンプトンの東、ダグラス浅瀬に座礁し、燃料の重油2トン以上が流失してから約1週間になる。 当局はまだ船に残っている970トンの重油の抜き取り作業を行なっている。 
  クイーンズランド州政府のアナ・ブライ首相は、「この船の保険会社から救助隊の費用を払ってもらい、州政府としても今回の事故にかかった費用を保険会社に請求する。 しかし、それはあとのことで、今はこの船をリーフに損傷を与えることなく、安全にリーフから引き離すことが一番の優先事項である。 船会社は今回の事故で何百万ドルの罰金に科されるだろう」と話した。 
  一方、オーストラリアの海洋当局は、今回の事故が発生後5分以内に連絡したとの船会社の説明に反論している。 今回座礁した船の所有者の中国のShenzhen Energy Transport社は声明で、今回の事故について謝罪し、当局の調査に協力していくと発表した。 しかし、同社が座礁してから約5分後にオーストラリア当局に連絡したとしているのに対し、オーストラリア海上保安局(AMSA - Australian Maritime Safety Authority)は、通報は1時間30分後であったと反論している。 AMSAは連絡を受けたあと、クイーンズランド海上保安局がこの事故に対応するのに、さらに25分かかったとしている。 AMSA はこの点について中国の船会社に説明を求めている。 (Source: ABC, 11/04/10 "Oil pumped from grounded coal ship")

04月14日2010年 大量破壊兵器の疑いがあるパキスタンへの輸出貨物を阻止−豪国防相

  連邦政府のジョン・フォルクナー国防相は、大量破壊兵器の疑いがあるとしてオーストラリアからパキスタン向けの貨物を阻止した。 
  ビクトリア州のGBC Scientific Equipment社は月曜日、2個の原子吸光分光装置 (Atomic Absorption Spectrometer).を輸出しようとしたことを認めた。 これに対し、フォルクナー国防相は、大量破壊兵器(拡散防止)法に基づき、同相の権限を行使し阻止した。 日刊紙オーストラリアン紙は、「GBC Scientific Equipment社のロン・グレイ社長が、販売先のパキスタンのエンジニアリング企業がミサイルや遠心分離機に使用する金属の分析に使用されることはないとの説明を政府に出来なかった。 今回の貨物の輸出額は12万5,000豪ドルで、国防大臣が過去において輸出貨物を阻止したのはこれで4回目となる 」と報道している。 (Source: ABC, 07/04/10 "Shipping to Pakistan refused on WMD fears") 

04月07日2010年 中国の石炭運搬船が座礁、重油が流出 − クイーンズランド州

  クイーンズランド海上保安局(Maritime Safety Queensland)は、中国の石炭運搬船が座礁し、グレート・バリア・リーフ海域に重油が流出し、船体が崩壊する危険性があるとしている。 
  中国船籍の石炭バルク船「深能1号(Shen Neng 1)」が、4月3日に通常運航する航路から15キロ離れたクイーンズランド沿岸沖グレート・ケペル島東約70kmで座礁した。 同保安局のゼネラル・マネージャーのパトリック・カーク氏は、「この船の左舷は完全に損傷しており、船体がいくつかに分裂する危険性がある。 我々は大変心配している。 流出した重油は幅100メートルで長さ3キロに渡って浮いており、今のところ大量ではない」と話した。 
  クイーンズランド州政府のアナ・ブライ首相は、「今回の事故は、グレート・バリア・リーフ海洋公園の南部ゾーンで起きており、州政府はなぜこの船が通常の航路より離れたところを運航していたのかを調査している。 グレート・バリア・リーフ海洋公園の南部ゾーンは船舶が制限されている海域で、船が入ってはならないところである」と話した。 (Source: AFP, 04/04/10 "Chinese ship leaking oil near Great Barrier Reef")